このツールは、サニタリー配管の切断寸法を簡単に計算するためのものです。配管初心者の方でも分かりやすく操作できるように、以下の手順を参考にしてください。
1. ツールの概要
このツールを使うと、以下のことができます:
- パイプのサイズを選び、継手(エルボ、チーズ、レジューサーなど)を指定して、配管の切断に必要な長さを計算します。
- 継手の種類やサイズ、メーカーを選択し、芯-芯(または端面-端面)の寸法を入力することで、正確な切断寸法を自動で計算します。
- 計算結果は表形式で表示され、どの継手がどのくらい影響しているかも確認できます。
2. 準備
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ブラウザでツールを開く
このツールはウェブページとして動作します。パソコンやスマートフォンのブラウザ(Chrome、Safariなど)で開いてください。スマートフォンでは画面が小さくなるため、横にすると見やすくなる場合があります。
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必要な情報
- パイプのサイズ(例:1.0S、2.0S、8Aなど)
- 継手の種類(例:90°エルボ、チーズ、フェルールなど)
- 継手のメーカー(協和ステンレス、大阪サニタリー、トーステから選択)
- 芯-芯または端面-端面の寸法(mm単位で、設計図や現場の測定値)
3. 芯と端面の違いおよび継手の区分け
芯と端面の違い
- 芯:継手の中心点(例:エルボやチーズの中心)。芯-芯寸法は中心点間の距離で、設計図の「芯-芯」に基づく。
- 端面:継手の端の表面(例:フェルールの場合、パッキンと接続する平らな端)。端面-端面や芯-端面寸法は端部を基準。
- 組み合わせ:例:エルボ(芯)とフェルール(端面)の場合、「芯-端面寸法」を入力。ツールは入力欄を自動調整。
継手の区分け
- エルボ:90°または45°に曲げる。芯は中心点(例:2.0Sの90°エルボで57.2mm)。
- チーズ:分岐用。C寸法(メインライン端から中心)、M寸法(分岐端から中心)。例:2.0SでC/Mは38.1mm。
- レジューサー:サイズ変更。端面基準(例:2.0S×1.5Sで50mm)。
- フェルール:接続/終端用。端面基準(例:2.0Sで21.0mm)。
- フランジ:ボルト接続。端面基準。
- 継手なし:パイプ同士を直接溶接など。調整値0mm。例:芯-端面寸法が切断寸法。
4. 操作手順
ステップ1: パイプサイズを選択
- 画面上部の「使用するパイプの呼び径」のドロップダウンメニューをクリックします。
- 使用するパイプのサイズ(例:1.5S、2.0Sなど)を選択します。
- 例: 配管図で「2.0S」と指定されている場合は「2.0S」を選びます。
- 選択すると、画面下に「パイプのサイズ: 2.0S」と表示されます。
- 注意: パイプサイズを選ばないと継手の選択が制限されます。必ず最初に選んでください。
ステップ2: 継手のメーカーを選択
- 「継手1の種類」と「継手2の種類」のそれぞれに、チェックボックスで使用するメーカーを選びます。
- デフォルトでは「協和ステンレス」が選択されています。
- 複数のメーカー(例:協和ステンレスと大阪サニタリー)を同時に選ぶこともできます。
- 例: 図面に「大阪サニタリーの90°エルボ」と書いてある場合、「大阪サニタリー」にチェックを入れます。
- 継手1と継手2のメーカーは自動で同じになります(チェックボックスは連動しています)。
- ヒント: チェックボックス横の文字(例:「協和ステンレス」)をクリックしても選択できます。
ステップ3: 継手の種類を選択
- 「継手1の種類」と「継手2の種類」のドロップダウンメニューから、配管の両端に使う継手を選びます。
- 例: 配管の一端が「90°エルボ」、もう一端が「フェルール」の場合、それぞれ選択します。
- 継手が不要な場合は「継手なし」を選びます。
- 選択した継手の画像が右側に表示されます。
- 注意: パイプサイズを選んでいないとエラーメッセージ(「先にパイプサイズを選択してください」)が表示され、継手は選べません。
ステップ4: チーズやレジューサーの詳細を設定(必要な場合)
- チーズ(例:同径チーズ、異径チーズ)を選んだ場合:
- 「チーズの寸法」で「C寸法(メインライン端から中心)」または「M寸法(分岐端から中心)」を選びます。
- C寸法: チーズのメインライン端から中心までの長さ(メインラインを基準)。
- M寸法: チーズの分岐端から中心までの長さ(分岐ラインを基準)。
- 例: メインラインを基準に計算する場合に「C寸法」、分岐ラインを基準に計算する場合に「M寸法」を選択します。
- 異径チーズの場合、「継手のサイズ」でサイズ(例:2.0S×1.5S)を選択します。
- 最初の数字(例:2.0S)がメインライン、後の数字(例:1.5S)が分岐ラインです。
- 「チーズの寸法」で「C寸法(メインライン端から中心)」または「M寸法(分岐端から中心)」を選びます。
- レジューサーやフランジ(例:レジューサー、フランジ・アダプター)を選んだ場合:
- 「継手のサイズ」で適切なサイズ(例:2.0S×1.5S)を選択します。
- 最初の数字が大きい側(例:2.0S)、後の数字が小さい側(例:1.5S)。
- パイプサイズに合うサイズを選んでください。
- 「継手のサイズ」で適切なサイズ(例:2.0S×1.5S)を選択します。
- サニタリーフランジ(vsf-lp)を選んだ場合:
- サイズは自動でパイプサイズに設定されるので、追加の選択は不要です。
ステップ5: 芯-芯(または端面-端面)の寸法を入力
- 「継手の芯 - 芯の寸法 (mm)」の入力欄に、設計図や測定した長さを入力します(mm単位)。
- 例: 配管のエルボの中心からフェルールの端面まで100mmなら「100」と入力。
- 入力欄をクリックすると自動で全選択されるので、簡単に値を変更できます。
- 継手の種類によって「芯-芯」「端面-端面」などラベルが自動で変わります。
- 芯: 継手の中心点(例:エルボやチーズの中心)。
- 端面: 継手の端(例:フェルールやレジューサーの端)。
- 例: エルボ(芯)とフェルール(端面)の場合は「芯 - 端面の寸法」と表示されます。
ステップ6: 計算する
- 青い「計算する」ボタンをクリックまたは「エンターキー」をクリックします。スマホの場合は「実行」でも計算が出来ます。
- 結果が画面下の表に表示されます:
- 切寸法: 実際に切断するパイプの長さ(mm)。
- 継手ごとの調整値: 各継手がどれだけ長さを短くするかを表示(例:エルボで-57.2mm)。
- 計算式: 芯-芯寸法から継手の調整値を引いた計算式(例:500mm - 95.0mm - 95.0mm = 310.0mm)。
- 「切断寸法」の枠(入力欄の右側)にも結果が表示されます。
- 負の値(例:-10mm)の場合は、入力値が小さすぎることを示します。芯-芯寸法を再確認してください。
ステップ7: 結果を確認
表を確認して、計算された切断寸法が正しいかチェックします。
例:以下のような表が表示されます。
項目 | 継手名 | 値 |
---|---|---|
切寸法 | - | 396.8 mm |
継手1 | 溶接式 90°エルボ(ロング)[トーステ] | -101.6 mm |
継手2 | 溶接式 90°エルボ(ロング)[協和] | -101.6 mm |
計算式 | - | 600.0mm - 101.6mm - 101.6mm = 396.8mm |
もし結果がおかしい場合:
- パイプサイズや継手の選択が正しいか確認。
- 芯-芯寸法が正しいか、設計図と照らし合わせる。
- エラーメッセージ(赤文字)が表示されている場合、その指示に従う(例:「パイプサイズを選択してください」)。
ステップ8: 必要に応じてリセット
- 別の計算をする場合、ピンクの「クリア」ボタンをクリックします。
- すべての入力がリセットされ、初期状態に戻ります(メーカーは協和ステンレスが選択された状態)。
- 再度ステップ1から入力してください。
5. 注意点
- パイプサイズを最初に選ぶ: 継手の選択肢はパイプサイズに基づいて決まるため、必ず最初に選んでください。
- 継手の向き: 継手の画像は計算に合わせて回転します(例:エルボは適切な角度で表示)。向きが分かりにくい場合は、設計図や実際の継手を確認してください。
- 負の切断寸法: 結果が負の値(例:-5mm)の場合、芯-芯寸法が継手の長さより短すぎます。設計を見直してください。
- 画像が表示されない場合: インターネット接続を確認するか、別のブラウザで試してください。
- モバイルでの操作: 画面が小さい場合、表が見づらいことがあります。スクロールするか、画面を横にしてください。
6. よくある質問
Q1: 芯-芯寸法とは何ですか?
A1: 継手の中心点(例:エルボの曲がり中心)または端面(例:フェルールの端)間の距離です。設計図や現場で測定した値を入力してください。
Q2: チーズの「C寸法」と「M寸法」の違いは?
A2:
- C寸法: チーズのメインライン端から中心(分岐点)までの長さ。メインラインを基準に計算する場合に使用します.
- M寸法: チーズの分岐端から中心(分岐点)までの長さ。分岐ラインを基準に計算する場合に使用します.
- 例: メインラインの配管長を計算するなら「C寸法」、分岐ラインの配管長を計算するなら「M寸法」を選択します.
Q3: 継手なしを選ぶとどうなりますか?
A3: 継手なしを選ぶと、その側の調整値は0mmになります。パイプ同士を直接つなぐ場合などに使います。
Q4: 計算結果が負の値になった場合は?
A4: 芯-芯寸法が継手の長さより短いことを意味します。設計図を確認し、芯-芯寸法を大きくするか、継手の種類を変更してください。
Q5: 継手の区分けで迷う場合、どうすればいい?
A5: 設計図に記載された継手の名称(例:90°エルボ、フェルール)やサイズ(例:2.0S)を確認し、ツールのプルダウンメニューから一致するものを選びます。メーカーが指定されている場合(例:協和ステンレス)、必ずそのメーカーを選択してください。画像表示を参考にすると、選択ミスを防げます。
7. 例: 実際の計算
状況:
- パイプサイズ: 2.0S
- 継手1: 協和ステンレス 90°エルボ(ロング)
- 継手2: 協和ステンレス フェルール
- 芯-芯寸法: 200mm
手順:
- パイプサイズで「2.0S」を選択。
- 継手1で「協和ステンレス」にチェック、「溶接式90°エルボ(ロング) [協和]」を選択。
- 継手2で「協和ステンレス」にチェック、「溶接式 フェルール [協和]」を選択。
- 「継手の芯 - 端面の寸法」に「200」と入力。
- 「計算する」をクリック。
結果:
- 表に以下が表示:
- 切寸法: 122.8mm
- 継手1: 90°エルボ(-76.2mm)
- 継手2: フェルール(-21.0mm)
- 計算式: 200mm - 76.2mm - 21.0mm = 102.8mm
- 切断寸法の枠: 「102.8 mm”
解釈: パイプを102.8mmに切断すれば、指定の芯-端面寸法(200mm)になる。
8. サポート
- 継手の詳細を知りたい場合: 表の下にある「配管継手寸法表のまとめ」リンクをクリックすると、継手の寸法表を確認できます。
- 問題が発生した場合: エラーメッセージを読み、指示に従ってください。解決しない場合は、設計者や上司に相談してください。
9. 補足情報
C寸法とM寸法の説明
チーズのC寸法とM寸法は、協和ステンレスや大阪サニタリーの技術資料および業界標準(ISO 2852やJIS規格)を基に定義されています:
- C寸法:メインライン端から中心(分岐点)までの距離。メインラインの配管長計算に使用。
- M寸法:分岐端から中心(分岐点)までの距離。分岐ラインの配管長計算に使用。
- 例:2.0Sの同径チーズでは、C寸法とM寸法はともに38.1mm。異径チーズでは異なる場合あり。
既知のバグと対策方法
既知のバグ:継手1と継手2で同じ継手を選択した際に、どちらか一方の継手名が表示されない場合があります(例:同じ90°エルボを選択しても、一方が空白になる)。
対策:サニタリーメーカーのチェックボックス(例:協和ステンレス、大阪サニタリー、トーステ)を追加で選択してください。複数のメーカーを選択することで、表示されない継手名が正しく表示される可能性が高まります。
例:継手1に「協和ステンレス 90°エルボ」が表示され、継手2に表示されない場合、大阪サニタリーやトーステのチェックボックスを追加でオンにしてください。
補足:このバグは開発チームに報告済みで、将来のアップデートで修正予定です。問題が解決しない場合は、サポートにご連絡ください。
このツールを使えば、初心者でも簡単に配管の切断寸法を計算できます。設計図をよく確認し、正確な値を入力して、安全に作業を進めてください!
このツールの利用規約 / Terms of Use for This Tool
- 目的: 本ツールは、溶接サニタリー配管の切断寸法を計算するための支援ツールであり、専門家の判断を補完するものです。
Purpose: This tool is designed to assist in calculating pipe welding conditions and is intended to complement the judgment of professionals. - 使用責任: 本ツールの計算結果に基づく行動は、利用者の自己責任で行ってください。結果の正確性や適用性については保証しません。
User Responsibility: Any actions taken based on the calculation results of this tool are at the user's own risk. We do not guarantee the accuracy or applicability of the results. - 著作権: 本ツールのデザイン、コード、およびコンテンツは「配管継手寸法表のまとめの管理人」に帰属し、無断での複製・配布・改変は禁止します。
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使用上の注意 / Usage Precautions
- 入力の正確性: 正確な計算結果を得るためには、入力するデータを正しく選択してください。誤った入力は不正確な結果を招きます。
Input Accuracy: To obtain accurate calculation results, please select the input data correctly. Incorrect inputs may lead to inaccurate results. - 環境依存: 本ツールはブラウザ環境に依存します。最新のブラウザを使用し、動作が不安定な場合は更新してください。
Environment Dependency: This tool depends on the browser environment. Use the latest browser version and update it if the tool behaves unstably. - 適用範囲: 本ツールは一般的な溶接サニタリー配管を対象としており、特殊な状況や材料には対応していない場合があります。
Scope of Application: This tool is intended for general welded sanitary piping and may not be suitable for special conditions or materials.
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