配管作業で使える角度絡みの計算方法



ご安全に!

先日、若いもんに配管作業をやらせたら、「45°の計算がどうしても判りません」と言ってきた。
「学校で習って来たのは覚えているけど・・・」

なに?
昔の俺と一緒じゃん(笑)

という訳で、奴に覚えさせるためにも、色々な角度計算の方法を備忘録代わりにまとめてみます。














このページは配管作業をやっている人が見ると言うことにして、エルボの芯芯がどうのこうの、マイナス寸法はこの寸法でっとかってのは割愛させてもらいます。

配管作業における45°計算の方法





図1 45°計算

分かりやすく底辺100mm、高さも100mmの正三角形を書いてみました。
もちろん正三角形なので、直角と45°が2つですね。

これは普通の安い計算器でも出来ます。

[√ ̄ ]キーがある計算器


[1] [0] [0] [X] [2] [√] [=] の順番にキーを押していくと答えが出てきます。


 キーがない残念な計算器 


安心してください
2√は 1.4142 ですので

[1] [0] [0] [X] [1] [.] [4] [1] [4] [2] [=] で答えが出ます

えっ?「1.4142」が覚えられない?
この数字は、「一夜一夜に」と覚えればいいですよ。

「1.4142」
「ひとよひとよに」
「人よ一夜に」
「一夜一夜に」
「1.4142」

覚えやすいでしょ。

で、上の図の答えは X = 141.421 でした。

斜辺の寸法がわかる場合の、底辺・高さの求め方



2つの45°エルボ間の寸法が 353mm だったとします。
底辺・高さの答えの出し方は?
↓ ↓ ↓

計算方法は
[3] [5] [3] [÷] [2] [√ ̄] [=]
で答えが出ます。

底辺と高さの答えは
249.6なので、四捨五入で500ですね。






配管作業で時々ある直角三角形の計算




図2 直角三角形の計算
底辺1000mm 高さ577.35の直角三角形を書いてみました。
この斜辺 X を求める方法

これも安い計算器でも答えを出せます。
難しい計算式なんて書けなくてもOKです。


M+キー(メモリーキー)とMRキー と√キーがある計算器


[1] [0] [0] [0] [M+] [5] [7] [7] [.] [3] [5] [M+] [MR] [√]
[=] 1154.7

MRキーがなくてMRCキーがあれば、それを押してみてください。
(稀にこの方法で、計算ができない計算機もあるみたいです)

ちなみに、この計算方法で差し金の直角の精度も確認できます。


M+やMRキーが無い計算器での斜辺の出し方


1000 X 1000 = 1000000
577.35 X 577.35 = 333333.02
1000000 + 333333.02 = 1333333.02
1333333.02 √ = 1154.7
X = 1154.7

うーん、メモリーキーがないと面倒だけどなんとか斜辺の答えが出ました。


角度の求め方


図2の底辺と斜辺の θa の角度を出してみましょう。
今度の計算器は三角関数が出来るやつを用意してください。

高さ577.35 ÷ 底辺1000 = 0.57735 SHIFT tan-1 で出た数字が θaの答えになります。

θa = 29.999  答えは30°ですね。






3次元空間における二点間の距離を計算

上の図のXを求める方法は、鉄骨や製缶とか配管でも計算することが出てきます。

この計算も意外と簡単に上の【直角三角形の計算】でできます。
まず、A-Cの斜辺を求めます。
A-Bが4000、B-Cが3000で、斜辺が5000

同じようにA-C5000を高さC-C'200でXを求める計算をすれば答えが出ますね。
答え 538.5

このブログの右サイドバーにも計算アプリが

今更だけど、パソコンでこのブログを見ている人は、右サイドバーのアプリで簡単に答えを出せちゃいますけどね。



ぜひ使ってみてください。

2021-2-3追記
右サイドバーに表示されていた【単位換算のブログパーツ】は終了していましたので削除しました。


最後に

紹介したこれらの計算でパイプを斜めに切断して、微妙な角度のエルボなども作らされています。
製缶仕事も角度物のダクトやホッパー等、計算がとても役に立っています。

最近の配管工事現場ではスマホの持ち込み禁止、または使用禁止なところが多いので、スマートフォンの計算アプリや配管アプリも使えません。いまでに計算機が必須アイテムです。

配管を始めた若い人達も、これらの計算をやって見てください。仕事の幅と言うか奥行きと言うのかが、ガッツリろひろがります。

応援していますよ。







あっ、もう一つ。
このページ 一番上の画像は、いわゆる「さしご」の法則です。

3・4・5 + 6 の意味は、直角三角形の底辺と高さに3・4をつけると斜辺が5になる法則です。
不思議なことに、面積が6になるんですね。ちょっとビックリです。

大きな鉄板等の直角を確認したい時に、角から300と400に印を入れ、その印を結んだ線が500あると直角です。
3mと4mでは斜辺が5m。30mと40mでは50mと覚えておくと何時か自慢出来る日がくるかもですよっと。





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お知らせ


2023年11月25日
・溶接型の寸法表を追加しました。
2021年8月13日
・アルミ継手寸法表の更新を開始しました。
2021年8月4日
・ステンレス鋼材の寸法表を追加しました。
2021年7月26日
・鋼材関連の鉄材の寸法表を追加しました。